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個人間融資 「命と金、どっちが大事か?」の限界 経済のために命を救え

今回の個人間融資 掲示板 スマートBBSの記事は「「命と金、どっちが大事か?」の限界 経済のために命を救え」です。

太平洋に突然ベルリンの壁がそびえたったかのようだ。

トランプ大統領は2016年の大統領選で「外人どもからアメリカを守るため国境に壁を敷く」と公約して世界を失笑させたが、その公約が完璧に有言実行されるとは誰も予想しなかっただろう。

4月13日、東京でこの文章を書いている。私はふだん日米半々くらいで生活していて、今回は2月末から日本で遊びと仕事、3月末にはアメリカのシリコンバレーの家に戻るはずだった。ところがどっこい、いまや日米は事実上の渡航禁止で飛行機はすべて欠便、アメリカはビザの発行まで停止した。「ベクシル2077日本鎖国」というSF映画があったが、鎖国がSF作家の設定より半世紀以上早く実現したことになる。

飲食や観光と同じくらい追い詰められているのは、人間の想像力である。

貧すれば鈍するとはいったもので、想像力をさらに鈍らせるのが経済の麻痺だ。世界の多くの都市では戒厳令で多くが自宅に籠りきりだ。それでは経済も壊れるはずで、株価はリーマンショックを超える大暴落、米国では過去数週間で全国民の15%ほどが新たに失業した。過去半世紀の不況がすべて誤差に見えるほどの価値と仕事の瞬間蒸発だ。

1人の命は地球よりも重い?

なぜこんな悪夢に陥ってしまったのか? いうまでもない、感染拡大を防いで人命を救うため、あえて経済を失神させたからだ。

「1人の命は地球よりも重い」(福田赳夫首相がダッカ日航機ハイジャック事件の際に述べた言葉)。しかし、すぐに疑問が立ち上がる。「人の命を救うためには経済を殺してもいいのか?」「 命と金、大事なのはどっちなのか?」という使い古された問いだ。

よくある答えは「どっちも」というものだ。「金も命も両方大事で天秤にはかけれない。命は金で買えないから。答えのない永遠の難問でバランスが大事」といった感じで、のらりくらり玉虫色の思考停止に陥りがちだ。

だが、ちょっと家の中を散歩でもして考えてみてほしい。何か見落としていないだろうか? たしかに命は金で買えない。だが、金は命で買えるだろう。というか、金を手に入れるにはつまるところ命をすり減らすしかない。生きた人間がいなければ経済活動はなく、金も生まれようがないからだ。

とすると、こんな風に言えるはずだ。いま金をはたいてある命を救うかどうか悩んでいるとする。仮に以下の大小関係が成り立つとしよう。

「救った命が生み出してくれる金」 > 「命を救うのにかかる金」

もしこの大小関係が正しければ、とりあえず「金のために命を救うべきだ」と言えるんじゃないだろうか? たとえ金だけに話を絞っても、命を救うことは得なのだから。

注意してほしいが、ここでの計算には「人の命そのものの尊さ」みたいなフワフワしたものは入っていない。というかあえて無視している。そしてそれでいい。命そのものに金で測れない心の価値かなにかがあるのだとすれば、金だけでなく心にとっても命を救うことは得になる。さらにキッパリと命を救うべきだと言えるわけだ。

170万人の命に値札をつける

果たして「金のために命を救うべきだ」と言えるんだろうか? つまり、上の大小関係は成り立っているんだろうか? 

どうやら成り立っているらしいことが、米国のデータと疫学・経済学の知恵を組み合わせるとわかる。まず、世界中で使われている疫学モデル(*1)にデータを入れてシミュレーションすると、3月から3〜4カ月にわたってそこそこの「人と距離を置く政策(social distancing)」を取ると、2020年3月から9月の半年ほどで米国で170万人の命を救えると推定される。

ちなみに、このうち63万人はコロナの直接の被害者ではなく、コロナ感染拡大で集中治療室が溢れかえって治療が受けられず亡くなる他の病気の被害者だ。

では、国ごと閉店することで救えるこの170万の命が生み出してくれるお金はいくらくらいだろう? 答えを出すために、命を救うことで生まれる金を測りたい。一番素朴な方法は、生きた人がどれくらいの金を稼ぐか測ることだろう。

もうひとつの方法は「死なずに済んで生きられること」にどれだけのお金を人が払ってもいいと思っているか測ることだ。政府が国民を助けることでいくら徴収できるかを表すと考えてもいい。マニアのあいだでは「命の統計的価値」などと呼ばれる(*2)。

この方法で「170万の命を救うことで生涯で生み出せるお金」を測ってみる。すると、そのお金的価値は米国全体で8兆ドル(800〜900兆円)、1家庭あたり6万ドル(600〜650万円)を超えるという結果になった(*3)。これは米国のGDPの約40%だ。いいかえれば、2020年3月から9月の半年余りのあいだ経済を一部殺すことで、一年間のGDPの半分近くも得する計算になる。

この結果を信じるなら、たとえ金の面だけを見ても「都市封鎖でGDPの10%が溶けてなくなるくらいならしょうがない、がんがん睡眠薬を打って経済を眠らせておこう!」ということになりそうだ。

しつこいが、ここでは金だけを考えてこの結論にいたったことを忘れないでほしい。つまり、「国民の命そのものには何の価値もない。彼らが作り出す金がすべてだ」という拝金主義者の政府でも合意したくなるはずの計算だ。「国民の命には金には変えられない命そのものの価値がある」と考える良心的常識人の政府であればなおさらだ。

こう考えてみると、経済閉鎖は「命は金より尊い」という価値判断(だけ)から来ているわけではないことがわかる。金と命を天秤にかけて出るはずのない答えに悩む必要はない。金のために命を救うことが必要なのだ。

個人間融資 掲示板 スマートBBS 管理人

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